蒲原鉄道の遺構を訪ねて(1)

蒲原鉄道は、新潟県を走っていた私鉄です。
当初、磐越西線の五泉駅と同線から外れた村松の町を結ぶ
形で開業し、後に、村松から西へと路線を伸ばして、信越
線の加茂に至りました。やがて、自動車の普及に押されて
路線を縮小。1985年4月1日、加茂−村松間廃止。
1999年10月4日に村松−五泉間が廃止となり、鉄道
事業から撤退。現在はバスを中心に営業しています。
長い歴史を持ち、沿線に親しまれたことと、比較的最近
まで営業していたことから、現在も遺構が多く残っています。
2009年3月より2010年8月にかけて、それらを
訪ねた様子をまとめました。

加茂駅は、JRの駅舎の反対側に専用ホームがありました。
駅付近は線路が撤去されていますが、新潟寄りに進むと
その後築堤を上り、JR線をオーバークロスする部分は、
高架橋は撤去されていますが、築堤はそのまま残っています。


その先が陣ヶ峰駅の跡で、ホームやそこへ向かう階段が
残っています。

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高架橋跡
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陣ヶ峰駅跡
廃線跡はレールや架線は撤去済みですが、跡地はそれとなく
線路だった雰囲気が残っています。写真は、途中で見かけた
狭口駅のホーム跡です。

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狭口駅ホーム跡
冬鳥越は、加茂市と五泉市の境近くの峠にあって、駅前は
スキー場でした。現在も「冬鳥越スキーガーデン」として
残り、スキーシーズン以外も庭園として公開されています。
ここに蒲原鉄道の車両が3両保存されています。
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冬鳥越スキーガーデン全景
モハ1は、1923年(大正12年)製造の木造電車。
県内最古の車両として、加茂市の指定文化財となっています。
車体は、目黒蒲田電鉄(後の東急目蒲線→多摩川線)の
車両をモデルに作成されたとのこと。
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モハ1
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同車内
モハ61は、1940年(昭和15年)製造の半鋼製電車。
元西武鉄道クハ1231形クハ1233で、1958年
(昭和33年)に電装化・両運転台化等の改造を受けた上で
譲渡されたそうです。

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モハ61
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同車内

ED1は、ウェスチングハウス風の凸形車体を持つ日本
車両製の電気機関車。当初貨物輸送で活躍し、貨物廃止後は
除雪などに使われていたそうです。

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ED1
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同車内

2009年3月に訪ねた際は、モハ1以外の車両が改装中
でしたが、2010年8月にはキレイに修復されていました。


スキーガーデンは、加茂市の管理で入場は無料。
開場時間(8:30〜17:00)は車内見学可。
アクセスは、加茂駅より加茂市営市民バス七谷方面
行きで冬鳥越下車。本数は多くないのでご注意ください。
※村松まで行く便は1日3往復です。
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冬鳥越(2009年3月改装中)

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