奥萩モノレール 探訪記

2001年の夏、山陰線「仙崎支線」を片づけて一息つき、
長門市から益田へ向かっていた所、萩を過ぎた辺りで、
山の斜面を進む妙な物体に気がつきました。あわててJTBの
大判時刻表を繰ると、巻頭地図にはなかったものの、
後ろの方にひっそりと「奥萩モノレール」の文字が。
 「モノレール」?何時の間にやらそんなものが。遠目なので
わからない部分が多いのですが、見るからに鉄道の匂いが
漂っています。確認しに行きたいのはやまやまだったのですが、
後のスケジュールもあって時間が取れず、断念しました。

その後、旅行ガイドやネットで調べた所、「萩本陣」という旅館の
施設であり、正規の鉄道ではないこと。昔はロープウェー
だったこと。「モノレールで行く温泉」として、温泉好きの方には
有名であること、などはわかったのですが、乗り物として
どんなものかは、よくわからないまま。結局、翌2002年の夏、
自らの足で調べることにしました。


※その後、モノレール代替として、SL形バスの
運行に変わったようです(2012.12現在)

萩市の中心となる東萩駅から萩本陣までは1km弱ですが、
レンタサイクルをかっ飛ばすと5分ほどで着きます。道は
おおむね平坦ですが、最後にキツい上り坂があります。立派
な旅館の建物の横に、これまた立派な看板が出ています。

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立派な看板
看板をくぐって進むと、ゴルフの練習場の脇に、ちゃんとした
乗り場があってここで切符を購入。料金は500円(税込)で、
往復運賃の他、温泉も利用可となっていますが、この日は
 「工事をやっているので、温泉は利用できません」
と言われました(泣)。ふだんでも、時間帯によって温泉が
利用できないことがあるようです。
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乗り場外観
JTBの時刻表には「10分毎」と書かれていましたが、
実質的にはスカイレールと同じ「オンデマンド」運行方式
のようです。乗り場の人にも「15分ほどお待ち下さい」と
言われました。上にいる車両が戻ってくるまで、それくら
いかかるようです。
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改札脇の利用案内
やってきた車両。確かに鉄製のレールが一本のモノレール
ですが、羽田などのものとは異なり、どちらかというと、
みかん畑やゴルフ場で見られるものが進化した形のようです。
4人がけの座席が向かい合った8人乗り車体が3個つながっ
ており、定員は24名。
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車両です
製造は、福岡の嘉穂製作所という所。
運転席は見られませんでしたが、速度の制御は自動で、発車
ボタンを押すだけのような話をされていました。勾配のせいも
ありますが、スピードはあまり出ません。

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車内の説明書

遠目には気がつきませんでしたが、途中に男性露天風呂、
女性露天風呂の2駅があって、女性露天風呂の駅では
レールが切られており、上部の列車に乗りかえる必要が
あります。上部の列車も同じ形。乗務員の方と二人で
ホームを歩いて車両を移動するのは、端から見たら妙な
感じかも知れません。
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女性露天風呂の駅 待っているのは上部へ向かう車両
終点の展望台は、小規模な公園となっていて、展望台や子供
向けの遊具などが置かれています。萩市街が見下ろせる展望は
なかなかのもの。地元の方らしい家族連れが、お昼を食べて
ました。
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萩市街を一望できます
一つ発見したのは、山の反対側にあった、もう一つモノレール。
レールなどの構造は同じようです。乗務員の方に聞いた所、
 「2年前に廃止となりました」
とのこと。結構、歴史があるようです。
乗務員の方を待たせるのも悪いので、滞在数分で下りました。
展望台から下まではハイキングコースもあり、料金さえ払えば、
歩いて下ることも可能なようです。
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もう一つのモノレール
おまけ:時間が余ったので、近くの松陰神社に足を伸ばしま
した。日本史の教科書を思い出しました。
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松下村塾

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