天竜浜名湖鉄道は旧国鉄二俣線を第三セクター化した
路線です。沿線には国鉄時代の設備が多く残っており、
特に運行の拠点である天竜二俣駅周辺には、多くの遺構
があります。同鉄道ではそれらを巡るガイドツアーを
企画。定期的に実施しています。参加者は天竜二俣駅の
待合室に集合。この駅舎と、ホーム上屋も文化財登録
されています。
天竜二俣駅
同ホーム上屋
職員の方の案内で、駅構内を抜けて車庫へと向かいます。
最初の見所が、蒸気機関車用の高架貯水槽。７０トンの
水が貯められるそうです。蒸気機関車廃止後も、洗車用
として現役。水源は井戸水で、水道料金がかからない
とのこと。
高架貯水槽
こちらは職員用の浴場。現在は使われていませんが、
当日、天気が悪かったため、写真の通り物干し場として
使われていました。壁面にはかつてのヘッドマークが
保存されています。
運転区浴場
ツアー一番の見所が、転車台。元々蒸気機関車の方向転換用
でしたが、扇形車庫への車両振り分けとしての機能も持って
います。実際に車両を載せて回転の実演を見ることができます。
転車台
こちらは扇形車庫。かつてはあちこちで見られましたが、
現存している所は少なくなってしまいました。
脇には新しく設けられた車庫もあり、車両が休んでいます。
手前の小型の機械は「アント」と呼ばれ、車両の出し入れ
に使われるものです。
扇形車庫
アントと車両
扇形車庫の脇には鉄道歴史館が設けられています。
以前、イベントで訪ねた際はなかったもので、比較的新しい
ようです。内部には、同線縁の品々が展示されています。
今回、訪問した目的はこちらで、貴重な資料を見ることが
できました。
保存されている歴史的な遺構自体に魅力があり、見所が
多いのですが、案内された職員の方の解説がわかりやすく、
進行も上手で、充実したひと時を過ごせました。
参加者には案内のパンフレットと、記念硬券のサービスも
あり、これで２００円は行く価値ありです。会社としては
天竜川下りに代わる集客の一環のようですが、多くの方に
訪ねてもらいたいツアーと思います。
ツアー実施日時：金・土・日・月・祝日
１０：５０〜，１３：５０〜
火・水・木
１３：５０〜
アクセス：天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅
待合室に集合（個人は予約不要）
所要時間：４５分
※列車はおおむね１時間毎の運転なので
間に合う形で参加可能
費用 ：大人２００円、小学生１００円
満足度：★★★★
（２０１２年７月現在）
鉄道歴史館
同内部
展示物