南部縦貫鉄道は、かつて東北線(現・青い森鉄道)の 野辺地と七戸を結んでいた私鉄です。当初、貨物主体での 運行を考えていましたが、状況が変わり目算が狂い、 採算が苦しい中営業を続け、新幹線延伸を待ちましたが 1997年休止、2002年廃止となりました。
路線の痕跡は消えつつありますが、終点の七戸駅は車庫と 線路が残り、タクシー運行を主とする会社、地元の観光 協会、愛好者などの協力で車両の保存と、年数回の運転会 が行なわれています。
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七戸駅舎
構内全景
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車両は、乗客数が見込めないため、バスの部品を多用した いわゆる「レールバス」が運行されていたことが特徴と なっています。写真上の手前、キハ101がレールバスで 横の車両と比べて、小ささが実感できます。奥は国鉄から 購入したキハ104。キハ10形で、こちらも現在は 数が少なくなっており、動態のものは貴重と言えましょう。 写真下はキハ102。キハ101と同型の車両です。
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キハ101と104
キハ102
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キハ102の内部。座席を見ると、バスそのものですね。 運転も、クラッチによってギアを切り替える方式で、 バス然としています。当日は、この車両が構内を3往復 しました。車体が軽いせいもあり、軽快な走りっぷりです。
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キハ102車内
走行シーン
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車庫の内部には、業務用の車両が置かれており、内部が 公開されていました。 写真上がDB11。路線建設時より、工事用車両として 導入し、その後は雪かきをつけて除雪で活躍したそうです。 この車両は動態保存されています。
写真中がD45。当初の貨物輸送用に導入されたもので 貨物輸送が減少すると、活躍する機会が少なくなったそうです。
写真下がDC25。羽後交通からの譲渡車です。減少後の 貨物輸送や、キハ103(廃車)の牽引で活躍しました。
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DB11
D451
DC251
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車両の運行と車庫の公開がメインですが、旧駅舎にはタブ レット閉塞器など資料が残されており、それらも見所の一つ。 他に関連グッズの販売なども行なわれていました。
趣味的にはマイナーな分野ですが、レールバスが特異なこと もあって、かく言う私もそうですが、根強いファンが多いよ うです。当日も、地元の他、首都圏などからも熱心なファンが 訪れ、限られた人数ながら盛り上がっていました。 新幹線開業により、その気になれば、日帰りも可能です。
アクセス:東北新幹線七戸十和田駅より、約2.5km。
タクシー6分、徒歩40分 公開日時:HPにて告知 料金:無料(2011年11月現在) 満足度:★★★★(ローカル私鉄ファンは+★) |
タブレット閉塞器
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