京都鉄道博物館

鉄道施設めぐり、京都府の京都鉄道博物館です。

     

京都鉄道博物館は、大阪の弁天町にあった交通科学
博物館と京都の梅小路蒸気機関車館を統合して
2016年4月にオープンした施設です。

場所は従来の梅小路蒸気機関車館に隣接する形で
設けられました。アクセスは京都駅からバスまたは
徒歩で、徒歩だと20分ほどです。

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建物入口

入口からはプロムナードと呼ばれる車両展示スペースが
設けられています。交通科学博物館にあった車両が主
ですが、0系新幹線(4両)は従来屋内に置かれていたので、
外観が見られるようになりました。室内には東海道新幹線に
関する資料展示もあります。DD54の後ろには20系食堂
車があり、これまで通り軽食・喫茶のサービスが行われて
います。

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C62、80系、0系
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DD54、103系

プロムナード終端から中庭を挟んでトワイライトプラザと
いう車両展示スペースが新設。名前の通りトワイライト
エクスプレスの牽引機と客車。EF58やEF65といった
ブルートレイン牽引機が展示されています。訪問時は
企画展に合わせて寝台特急のヘッドマークが取り付け
られていました。また車両を覆う上屋は京都駅の
ホームにあったものを移築したとのことです。

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EF58、EF81
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25系、EF65

本館建物へ。入口には233号機関車を展示。国産で
初めて量産化されたタンク式機関車で、2016年8月には
重要文化財(美術工芸品)指定もされました。脇には
2階に向かうエスカレーターが設けられ、壁面にナンバー
プレートがはめ込まれて、その後の機関車発達の歴史を
示します。一方、展示スペース側には500系、581系、
489系という一世を風靡した特急車両が展示され
ています。

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233号機関車
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500系、581系、489系

入口から見て右手は「鉄道のあゆみ」を示す資料展示
コーナーとなっており、EF52や100系新幹線などの実車
も置かれています。
中央部は写真の通り様々な車両を展示。DD51やEF
66は一段高い所に置かれ、車体下の見学ができるように
なっています。奥にはパンタグラフや台車もあって、車両の
動く仕組みが学べるようになっています。

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車両展示

入口の右手は「鉄道の施設」を説明するコーナー。
吹田操車場で使われた集中転てつ器など、施設面
での実物の展示がされています。軌道自転車の
体験乗車もできます。

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転てつ器

最奥部は展示線。引込線を通じて外部につながっており、
展示テーマに沿って車両の入替が可能となっています。
訪問時は企画展示に合わせてトワイライトエクスプレスの
車両が置かれていました。中央部の階段を使って車両
上部を見学することもできます。

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展示線

2階・3階の中央部は埼玉の鉄道博物館や、リニア・鉄道
館と同じく吹き抜けになっており、取り囲む形で展示ス
ペースが設けられています。写真上は列車の運行コント
ロールする仕組みの展示で、山陽新幹線の運転指令所
パネルの実物です。写真下は運転シミュレーターで
こちらは事前の申し込みが必要とのことです。

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運転指令所
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運転シミュレーター

写真上は「関西の鉄道」コーナー。交通科学博物館から
引き継がれた部分で、私鉄について関西大手5社を
紹介しています。ただ模型は昔のままの古い車両で
どうにかならなかったのかと思ってしまいます。
写真下は「鉄道と文化」というコーナー。新設されたもので
文学や映画、駅弁や模型など趣味的な面での掘り下げが
なされています。訪問時は内田百聞、阿川弘之、
宮脇俊三など紀行作家が取り上げられていました。

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関西の鉄道
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鉄道と文化

鉄道ジオラマは交通科学博物館時代からの人気コー
ナー。サイズはHO(1/80)で、照明によって朝から
晩まで時間の動きが再現されています。
こちらも関西私鉄の車両が登場し、近鉄のしまかぜ
など最新車両も反映されています。運行時間は
決まっており見学は混み合うので、興味のある方は
早めに場所を確保するのが良いでしょう。

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鉄道ジオラマ

企画展示室は時期により展示内容が変わり、
訪問時は「寝台列車の軌跡」というテーマでした。
寝台車の始まりから歴史をひも解き、ブルートレインの
盛衰から、ななつ星・トワイライトエクスプレス瑞風・
トランスイート四季島という新しい車両まで取り上げ
られていました。立派な解説パンフレットも作られて
おり、内容を目当てに訪ねるのも楽しみ方の
一つです。

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企画展示室

この他、駅や列車の車内設備など周辺サービスに
関する展示もあり、北陸新幹線のグランクラスの座席
展示もありました。レストランも設けられており
展望を楽しみながらランチを楽しむことができます。

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グランクラス
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レストラン

3階はホールと図書資料室・事務所となっており、展示と
しての見所はあまりありません。
ただし、スカイテラスが設けられており、東寺など京都
市街が見渡せます。東海道線・山陰線の車両位置表示板
(新幹線を除く)も設けられており、行きかう列車を
見ることができます。

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スカイテラスからの展望

旧梅小路蒸気機関車館へは、1階の中庭経由か2階の
連絡デッキ経由での移動となります。
施設自体はさほど変わっておらず、扇形車庫を中心に
蒸気機関車が展示されています。車庫内には部品が展示
され、解説もあります。

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扇形車庫
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部品展示

交通科学博物館時代はガラス張りの施設にあった弁慶
号も外に出されるようになりました。
保存車両の内、動態のものがSLスチーム号として構内
運転を行うのも変更なし。これまで午前中に訪ねていた
ので気がつきませんでしたが、16時のスチーム号運行
終了後、転車台でSLの方向転換、給水作業があるので、
ここも見所と言えます。

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弁慶号とC61形
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転車台

本館2階からの連絡デッキから望めるのが新設された
SL検修庫です。SL整備作業を行う施設で、D51形の
整備が行われていました。


アクセス:JR東海道線ほか京都駅より徒歩20分。
     JR山陰線丹波口駅より徒歩15分
開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで)
休館日:水曜(祝日・夏休み・春休みは開館)
    年末年始(12/30〜1/1)
入館料:一般1200円・大高生1000円
    中小生500円・幼児200円(2016年10月現在)
満足度:★★★★★

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SL検修庫

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